大腸ポリープ切除
大腸ポリープ切除
大腸粘膜にイボ状に隆起した病変の総称を大腸ポリープといいます。平坦なものからキノコの様に茎のあるタイプまで形は様々あります。ポリープの組織には良性と悪性があり悪性のポリープを大腸がんといいます。良性のポリープは「腫瘍性」と「非腫瘍性」のポリープに分けられます。腫瘍性のポリープは「腺腫」といい、放置すると徐々に増大し、がん化する可能性があります。大腸がんは腺腫の段階で切除することで予防効果が期待できます。
大腸ポリープは初期の段階ではほとんど症状が出ません。S状結腸や直腸の様に硬い便が通る肛門近くの部位に大腸ポリープが出来た場合、便が通過する時にポリープに擦れて出血することがあります。これにより便に目に見えないレベルの出血があり便潜血検査が陽性になることがあります。また、稀ですが便の通路をふさぐことで腹部膨満感を自覚し、悪化すると腸閉塞になることがあります。
大腸内視鏡検査は大腸の内部の粘膜を直接観察できる唯一の検査です。当院ではFUJIFILM社製の最新内視鏡システム「ELUXEO8000SYSTEM」を導入しています。高出力4LED光源で多彩な観察モードを有しています。大腸のヒダを丁寧にめくりながら時間をかけ観察を行い、病変の早期発見に努めます。大腸ポリープが発見された時は、特殊な波長の光を使用して観察を行い腺腫が疑われた時は、総合的に判断してその場で切除も行うことができます。切除した検体は病理検査に提出し、組織診断の確認を行います。大腸カメラ検査は熟練した医師によって行われ、挿入から観察、治療まで一貫した質を保っています。鎮静剤を使用することでウトウトした状態で検査を終えることも可能です。
高周波電流を流さずに生切りする方法をいいます。安全性に優れており、治療も短時間で済むというメリットがあり当院では多く使う手法です。
通常の生検鉗子やJumbo鉗子を用いて通電せずに病変を摘除する方法。5mm以下の病変が対象となる。
スネアで通電せずに病変を摘除する方法。10㎜未満の表面型もしくは亜有茎性病変が対象となる。
従来から行われているポリープにスネアをかけ通電して切除する方法です。茎のあるタイプ(有茎性)のポリープによく用いられます。
ポリープの粘膜下に生理食塩水を注入し病変を盛り上げた後、スネアをかけて通電して切除する方法です。平坦で10㎜超える病変や早期大腸がんが疑われる病変でよく用いられます。
大腸ポリープを切除した方は出血や穿孔のリスクを減らすため、以下のような生活の制限をお願いしております。
排便時に暗赤色の血液が少量付着するくらいは問題ありませんが、持続的に鮮血を伴う排便が見られる場合は、すぐに当院へご連絡下さい。